はじめての家づくり。
となると、外構工事やエクステリア工事も初めてでしょう。
今回は、検討項目のひとつ「駐車場」エリアについて、新時代の材料ともいえる「オコシコン(旧ドライテック)」を紹介。
紹介というか、おすすめ。
家づくりの段階で、何台をどこに駐車するかを決めた後(*1)、そこのエリアを何の材料で覆う?
*1 いろいろ考え方があると思うが、通常使用する台数分が良いと考える。もしくは、+1台(砂利駐車場)。
将来の子供の分、来客分など増やしていくと、費用もUPするし、そもそも、将来の予測はあてにならない。
本当の意味で「自動(運転)車」を「シェア」する時代がきて、車の保有もなくなるかもしれない。
「いつ使うかわからない駐車スペースを、癒しや息抜き、家族の思い出のスペースに利用した方が良い」とも感じる。
現状、圧倒的に使用されている材料は、生コン車配送による「生コンクリート」打設。
新しく紹介するのが、生コン車配送による「透水性コンクリート(オコシコン)」打設。
※オコシコンの「オコシ」は雷オコシから来てるとかきてないとか。。。
このオコシコン、いろいろメリットがある。
透水性、色むら、経年的な汚れが少ない、左官技術者不要(技術者不足対策)など。
詳しくは長岡生コンさんHP参照(https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/)。
今までは、「安く品質良く」という軸で物の価値を決定してきた時代。
いわゆる大量生産大量消費することでコストと性能が担保されてきた。
これからは、環境に配慮という軸も追加され、その重要性も増してきている。
いわゆるSDGs。
でも思うところ、社会がそうなってきている~とか、時代が~とか関係ない。
やっぱり、環境については学び、考え、行動していかなきゃと思います。
環境保護さえも、人間のエゴであるのはさておいて。
オコシコンをおすすめするのは、その環境性能が良いこと。
■特性① 透水性がある。空隙があるので、地面に雨が浸透する。
これって、何を意味するのか。
雨が降る→側溝→河川→海 これが、今までの生コン打設。おおまかに。
雨が降る→地面に染み込む→地下水→河川or海 オコシコン打設。
雨が地面に染み込み、染み込んだ水(地下水)の進み方が遅い(コンダクタンスが高い)ので、
急激な雨水量増加時においても、河川増水の速度が遅くなります。この辺、学問として数値データ研究してほしい~。
研究の結果、そんな吸収量ほぼ無視できる量であった、とかあってもよい。
だが、三島近辺だと、一昨年の台風では、河川の支流の方が水が捌けなくて、増水してしまった地域があった。
なんとなくですが、関係していると思うのだが。
長くなってしまった。。
いずれにしても、もともとは、土地に吸水していたので、それに近づけるのは良いことだと、直観的に思う次第です。
街の排水容量も少なくでき、人口減社会のインフラ維持費用減にもつながるし。
■特性②熱効果
ヒートアイランド現象といったものがあるように、コンクリートには蓄熱する性質がある。
ものが熱を持つというのは、物性にも寄るのはもちろんだが、
マス(質量)があることが大きな要因。
ペラペラのアルミホイルとアルミの棒でイメージするとわかりやすい。
オコシコンは空隙があるため質量は小さいかつ、空気に触れる面積は大きい。
熱が蓄熱しづらく、空気による冷却がされやすいということは構造的に想像できる。
打ち水の効果(持続性と即応性)も良さそうだ。地球を冷やすラジエーターのようだ。
■特性③解体
今までの生コン土間コンクリは、割れ防止のためワイヤーメッシュや鉄筋を内部に敷設して、
内部応力を分散させる。
オコシコンはその鉄筋・ワイヤーメッシュは不要。だが強度は確保。
なので、解体するとき楽。楽→コスト減→エネルギー減
やったことある人わかると思うが、鉄筋入っている、入ってないでだいぶ違う。
■特性④CO2吸収
生コン・オコシコンいずれにしても、「セメント」が構成部材の一部。
そのセメントを作る過程で加熱するときに大量の「CO2」が出る。
水和反応後のコンクリートという構造物の状態になった後に、中性化、つまりCO2を吸収し始める。
そう、樹木がCO2を吸収し、炭素(C)固定し、酸素(O2)を吐き出すのと似ている。
(橋脚等のコンクリートの中性化は中に鉄筋が入っている場合、強度減になる恐れがある。)
鉄筋(ワイヤーメッシュ)不要のオコシコンの場合(一般宅駐車場で使用する場合)、
中性化による強度減は考えなくてよく、空隙がある=表面積が大きい=CO2を吸収できる!
なんてやつだ!オコシコン!
■ドライテック→オコシコン
ドライテックからオコシコンに変わったけど、何が変わったの?
・製造元の変更。長岡生コンさんになりました。近くなので、いろいろな相談が可能です。
・オコシコンの方が、渇きにくく、施工の忙しさが緩くなりました。特に夏、日照時!
・オコシコンの方が価格安(詳しくいうと、昨今の物価上昇による値上げ幅が小さく抑えてくれてます)
弊社では、施工実績も踏まえて、新時代の素材「オコシコン」をおすすめします。
だけど、良い意見しか書かないと、逆に怪しまれるのも嫌なので、
弊社が土間コンとオコシコンを両方提案したときに、土間コンを選ばれたお客様のご意見も載せます。
①土間コンの方が実績があるし、親や友人の家も土間コンだったので。
②土間コンの方がきれいにみえる。
③なんとなく。
④YOUTUBEでドライテック(←ドライテックね)の不具合(固まらない)を見た!←NEW!
①は徐々にオコシコンが広がれば、採用する人増えるかなと。
今、採用される方は俗にいう「アーリーアダプタ」の人が多いですね。
②土間コンは生クリームのような生コンを、左官屋が仕上げるので、当初はきれいですね。
でも、時間が経過すると、水垢により黒ずんできます。
一方、オコシコンは水を透水するので、水垢がつきにくくきれいに保たれます。
また、生コン土間コンは「色むら」「ヒビ割れ」が発生する可能性があります。
これは、完全には防げません。防ぎたいのに防げない。そういう素材なのです。
*************
科学的知見や今までの経験による処置をしても発生してしまいます。
ひび割れは、コンクリ収縮で発生するものは、目地入れなどしますが、年に1回くらい。
色むらに関しては、業界の知見はほぼなし。
経験則として編み出しのは、刷毛引き推奨と、
打設後、4~7日目で黒っぽいところが白っぽくならない場合は、
デッキブラシの針金版で、刷毛目方向にゴシゴシと圧力をかけながらこする!
(コンクリ面に傷がつくので、刷毛引き面が必須。)
これでも、年2回くらいは発生してますかね。
このリスクは図面にも記載し、了解を得ての採用としてます。
*************
リスクと美的主観もあるので、お客様がどう考えるかでよいと思います。
お客様がどちらを重要とするかで。
③なんとなく。→たぶん直観肌の人か、情報を知らなかった人だと思いますので、このブログや
長岡生コンさんのHPを見て、再度ご検討ください。
④Youtubeの件、調べるとでてきます。動画の情報のみからの私見ですが、
・ドライテックの輸送(時間)が適切だったか?→不明(慣れてない業者?)
・打設前のドライテック材料のチェック(ペーストの状態)→不明(慣れてない業者?)
・打設時間→時間がかかってしまってから、転圧しているように見える(動画で編集されてる可能性もあり)
弊社では、動画上の問題は発生したことはないです。上記事項を考慮して、施工しております。
あと、発注方法にも問題があるように見えます。
一括して責任が取れるように、一社と請負契約(材料込み)を結んだ方が良いです。
有償監査で長岡生コンが行ったみたいだけど、これはどこまでの権限があったのか、誰と契約していったのか。
エクスショップ、地元施工会社と複数分散契約で安くはできそうですが、
地元施工会社との一社契約が良いと考えます。
おまけで、DIYも可能かどうかの議論もありましたが、技術的にはできると思います。
(というか今のDIYerさんのレベル高いので、他もいろいろできますよね。)
だが、そもそもネコで運ぶのが結構大変なので、私は遠慮しておきます(汗)。
夏なら1分でへばります。本当に職人さんに感謝ですね。
興味がある方、ぜひお問い合わせを!
一緒に環境にちょこっと貢献、いや、地球にやさしくしましょう。
■【デザイン面として】
グレー系やモノトーン調の色調の場合、素材が限られてきます。そこで、「オコシコン」という選択。
特に、大面積の場合は入れてみてもよいのでは。
■デザイン面 その2
デザイン面でもうひとつ。
通常の生コンのコンクリ打設で、注意しなければならないことに、ひび割れがある。
これは、コンクリという材料の特質上、発生は防げないという結論なのだが、先人の知恵や収縮の逃げを考慮することにより、防ぐことが「ある程度」可能である。
※絶対防げるとは言い切ってはいない。ひび割れがどうしても嫌だという場合は、レンガ敷やインターロッキング敷などにすることをおすすめします。金額はUPします。
その知恵とは、以下のようなものがある。
①一定面積で目地を入れる。
②鋭角を極力さける。(細いところを作らない。)
③鉄筋・ワイヤーメッシュをいれることで、加重分散させる。
オコシコンの場合、上記は考慮必要ない。
打設を考えると①をレンガ目地にするなどはある。
(ジョイント部分を考えるとね。)
②の鋭角については、レンガ目地などで外枠を固定することで可能であるので、
そういう意味で鋭角のデザインが可能となり、デザイン幅が増える。
敏感なデザイナー達による可能性が拡がりそうだ。